君と彼女と彼女の恋 感想(ネタバレあり)
今回プレイしたゲームは2013年にニトロプラスから発売した「君と彼女と彼女の恋」
比較的新しめかつ、ヤンデレが出てくることで有名なゲームなので知っている方も多いかもしれない。ちなみにゲームは極力事前情報なしでプレイする派です。
メーカーはおなじみのニトロプラス。沙耶の唄が有名なメーカー。
ライターは全前作スマガ前作アザナエルと同じ下倉バイオ氏。そして原画も全前作、前作と同じく津路参汰氏です。このタッグがこの時期のニトロプラスは多かった気がする。
ゲームを起動するとそこは学校の屋上。
須々木心一(主人公)は屋上でカミサマという人物から電話がかかってきているスマートフォンを拾う。そして突然上から落ちてきた電波系ヒロイン向日アオイ。「ビリビリする?」と問いかけられて戸惑う主人公。そこに今は疎遠の幼馴染、曽根美雪が現れて主人公を救うところから物語が始まる。
徐々に仲良くなる三人。屋上でお昼を食べながらスリーショットを撮る。
そして、ある日突然アオイが神と交信し世界をハッピーエンドにしかならないようにアップデートするという。そしてそこで現れる選択肢。
美雪ルートに進みたい私は「アオイを止める」「止めない」の選択肢で止めないを選んだ。
そこから美雪に告白を成功させ無事付き合うことになった主人公。
だがその日を境にアオイは突然姿を消してしまう。馴染みのバッティングセンターに行き美雪のスマホで猫の写真を撮る。その時偶然スリーショットの写真をみてしまうがそこに写って居たのは美雪と主人公の二人しか写っておらず誰が撮ったのか訝しがる。
そしてバッティングセンターで見事ホームランを打つ主人公。永遠の愛を誓いここでエンディング。
ここまでプレイ時間2時間程度でした。
省略できる部分が無い気がしてほとんどストーリーを書いてしまった気がするけど、つまりはよくある感じのギャルゲーかな?ニトロプラスぽさが全く感じられない…。
気取り直してアオイルートに行ってみようとプレイするとさっきまでなかった選択肢がたくさん現れてる・・これは嫌な予感…。
アオイルートの主な違いは、雨の日にアオイを探しに行くシーンで主人公が自力でアオイを見つける。その後姿を消してしまうアオイを電波ネコ事エルの導きで学校の屋上で見つける。そしてそのままセックス。
学校で会うとアオイの目に今までなかったハイライトが入ってる。これはアオイルート入ったか?
美雪に突然呼び出され永遠の愛や運命を信じると謎の誓いをたてさせられる。怖い
浮気をしていたアオイ。そしての浮気相手は親友の雄太郎の弟のハルだったという事が発覚
浮気を問い詰めるために主人公の誕生日パーティーにハルとアオイを呼び出す雄太郎、美雪、主人公。
そしてそこで明かされた浮気の理由がゲーム脳のアオイはいろんな人とのHなイベントCGを回収しないとこの世に居られないという。
アオイを受け入れてハルとの3Pをする主人公。終わってピロートークかと思いきやベッドの下から突如現れる美雪。
そして・・美雪は金属バッドでアオイを殴り殺した・・・。撲殺天使ドクロちゃんもびっくりな展開
ハッピーバースデートゥーユーを歌いながら主人公の四肢を壊していく美雪・・・。
主人公が殺され、美雪によって世界が作り変えられる。そして強制終了するゲーム…。
ゲームを再起動するとUIが古臭くなっている上に美雪に監禁されて地獄の無限ループに入った。どうやら美雪がプログラミングで世界を作り変えたよう。
ここからは地獄の無限ループタイム。美雪との二人だけの世界で美雪に永遠の愛を誓わされて監禁される。
キーは美雪の持つスマートフォンなのですが、無限ループ中の美雪の好みなどを全30問の問題として、ランダムに出される10問に連続で成功しないとスマートフォンのロックが解除されない仕組み。
しかもその好みはプレイヤー毎に違うので、同じ美雪が選ばれる確率は205891132094649分の1だという。
無限ループを数時間ほど楽しんだ後監禁から抜け出しエンディング直前で明かされる衝撃の真実。
なん・・・だと・・・
ずるいよね。ここまでやってて美雪以外を選ぶなんてできるわけないじゃん。
ってことで美雪ルートを選択肢無事ゲームクリア。
そしてゲームをクリアするとタイトルが変わる。
ここで気づいたんだけど、この物語は
“君(主人公)と彼女(美雪)と”彼女の恋(アオイ)ではなくて
君(プレイヤー)と“彼女(美雪)と彼女の恋”(美雪)
ってことなんだろうな・・鳥肌たった。
ちなみにアオイルートだとアオイは消滅する。全てのヒロインの中にアオイが息づいている。ニトロの歴代ヒロインを示唆して彼女たちは全部自分の生まれ変わり・・みたいな事を言うのは個人的に超エモい。ちょっと泣きそうになった。
総評
特にADVや美少女ゲームを数こなしている人ほど共感できる物があるだろうし、良質なストーリー重視のADVをやっている人ほど刺さるものがあると思う。
逆にADVなどで主人公に入り込めるようなタイプではないと、やっていて苦痛なだけかもしれない。
形は違うけれどEver17のようにメタ的な設定をゲーム中にうまく落とし込んでいて、ゲームだからこそできる表現があると再認識させられた。
特に個人的に気に入ったのが、美雪が世界を作り変える所でわざわざゲームが終了する部分、そして再起動すると90年代のようなUIになっているのは本当に素晴らしい演出だと関心した。
とても好みが分かれそうで、刺さる人には刺さるし刺さらない人にはとことん刺さらない、とても尖っていてニトロプラスらしい作品。
ちなみにオフィシャルワークス本とビジュアルファンブックが存在するので内容はファン必見です。(ワークス本に打越鋼太郎が寄稿してたのはびっくりしたけど)
確かにそこに彼女は存在した。人生は階段のようなもので一度きり、間違えても前に進まなければいけない。という事を教えてくれるのでした。